ヒグマ護衛の用具類

ギア

北海道ではヒグマの生息地において各種作業をする場合、安全確保の為に護衛をハンターに依頼することが有ります。そのための費用も発注者から手当されることが多いです。

当連盟もヒグマからの護衛業務を受けることが有ります。
基本安全確保の為、2名ペアでの護衛となります。
その際に携帯する用具類を紹介します。ヒグマ生息地への釣行等の参考にされてはいかがでしょうか。

ベアスプレー
最近よく聞くようになりましたが、トウガラシ等の成分を含んだ用剤を噴射することによりヒグマを撃退するものです。
効果は高いのですが、有効射程の短さ、風向き、使用期限等使用に当たっては注意する点が有りますのでご確認ください。
通常本体とホルスターは別売りが多いので同時に用意されることをお勧めします。使用時は緊急時の為、カバンから取り出す時間がないかもしれません。
また、緊急時でも確実に使用できるように使用方法を熟知しておくことも必要です。
下記画像は一例で、複数社からいろいろなタイプが発売されています。
購入はアウトドアショップ等で可能です。

右が本体。左はホルスター。

轟音玉
正式名 動物駆逐用煙火(轟音玉)、別名トド玉(トドの防除に良く使われていたらしい)。
これは導火線に着火すると轟音を発してヒグマを近寄らせないようにする時に使用します。
 使用上の注意点
 ・購入、使用には煙火消費保安手帳が必要。
  無資格では扱えない。
 ・導火線に着火後約10秒で爆発。
  導火線に着火しても外からは見えない。
 ・導火線は着火後水をかけても消えない。
購入はヤマニ小原煙火株式会社等から可能です。
その際、煙火消費保安手帳の提示が必要です。
(公益社団法人日本煙火協会の保安教育講習の受講が必要です。)

赤い帯の付いている取っ手を持ち、ピンクの導火線着火剤にターボライターで火を着けてすぐに投げるかその場において退避すること。

WIND STORM
元々海上での使用を考えて作られた大音響(約120dB)を出せる笛です。水に濡れても使用できるため雨等で濡れることが多いフィールドでも問題なく使用できます。

赤いのが笛です。銀色のはリールクリップでこれをベスト等のポケットにつけて使用します。

ジェットホーン(各会社により呼び名は色々です)
ガスのボンベを接続してボタンを押すだけで100dB以上の大きな音が出ます。
上記のWIND STORM と違い吹かなくて良いので楽ですが、ボンベを含むため嵩張ってしまいます。ボンベは交換式で自分での充填は出来ません。

物駆逐用花火
アマゾン等で売っている動物駆逐用花火。実態は普通の昔からあるロケット花火(火を着けると飛んで、シュッ、パンと鳴る花火)。安価で特に使用資格も必要ないので使うことも有ります。

業務無線機
当連盟は業務としてヒグマの護衛を行いますのでアマ無線は使用できません。また、携帯電話の電波が届かない場所で活動することもあり相互連絡には業務無線機を携帯して使用しています。

その他
一般的に山に入る装備は一通り必要になります。
例 現場に適した靴、服装、携帯電話(GPS機能付)、ロープ、双眼鏡、虫よけ、救急セット、鉈(ナイフ)、水筒、非常食 etc

心得
ヒグマ護衛については駆除・狩猟とは違います。護衛では作業を円滑に実施するため音等でこちらの存在を知らせヒグマを近寄らせないというのが一番の目的です。もしヒグマが出てきた場合でも退避、威嚇等によりヒグマを立ち去らせることが重要です。
銃による捕獲は、ヒグマが威嚇突撃(ラッシュ)を越えて人員の危険が避けられない場合にのみとします。

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